1960年代にボストン・コンサルティング・グループが提唱した製品系列ポートフォリオ管理「PPM法(Product Portfolio Management)」は、今日では世界中の企業で事業戦略立案のために取り入れられています。製品系列ポートフォリオ管理「PPM法」を利用した商品の切り捨て方と伸ばし方を紹介します。
■PPM法とは
PPM法の2番目のP、ポートフォリオ(Portfolio)は、ルーズリーフなどをまとめて持ち歩く平らなケースというのが原義です。しかし、経営の現場でポートフォリオといえば「製品系列のポートフォリオ」のことを示し、「ある会社(または事業部)の持っている製品系列一覧」と考えます。そして「製品系列のポートフォリオ管理」は、自社商品のラインナップのどれを切り捨て、どれを伸ばすか。あるいはどの商品に金をかけ、どの商品をコストダウンすべきかという企業戦略のための方法論です。PPM法では4つのゾーンを使った事業マトリックスによって、市場成長性とシェアから商品系列それぞれの戦略を導き出そうというものでした。
PPM法は、市場成長率を縦軸、自社のシェアを横軸にしたマトリックス図で、4つのゾーンのどこに自社製品がマッピングされるかで、その製品に対しての戦略を決定します。4つの象限にマッピングされた自社製品の戦略を紹介します。
■大食らい座:市場成長率大・自社のシェア小
ここにプロットされた製品群の問題点は、シェア拡大のために莫大な資金が必要になる点です。そのために「伸びる子なら食わせ、伸びそうもなければ撤退する」という戦略が求められます。そこでシェアの拡大に成功すれば、次に解説するスター座の製品群に成長します。
■スター座:市場成長率大・自社のシェア大
今後も多くの収入を見込める製品ですが、それだけに競合他社の目にも魅力的に映ります。新規参入も多い激戦区となります。シェアを守り抜くためにはよりコストも必要となるので、売り上げが上がっても、意外に利益は見込めません。しかし、市場が成熟したときには、現金を生み出す「現金牛座」となるので、何が何でもシェアを死守することが必要となります。
■現金牛座:市場成長率小・自社のシェア大
市場の成長率が止まってきても、高いシェアをキープしている製品群こそ、金のなる木「キャッシュ・カウ」です。過去に資金を十分にかけているので、設備投資もそれほど必要ではない上に、競合も撤退していることが多いので、ここでのミッションは「いかに金をかけずに利益をしぼり取っていくか」になります。
■負け犬座:市場成長率小・自社のシェア小
決してコストをかけてはいけないのがこのゾーンです。製品ラインの売却も検討すべきです。ただし自社にとっては負け犬的存在でも、他社にとっては自社シェアを確固たるものとする、買収によって現金牛座にすることができるケースがあるので、競合に売却するという選択肢もあり得ます。
■様々なケースで応用が可能なPPM法
営業マンが自分の営業戦略を策定する場合などにもPPM法は応用ができます。市場成長率を期待される売上高、自社シェアを顧客から見た自社製品の魅力度、そして企業における資金やコストを自分の労力として考えれば、どの顧客が死守すべきスター座で、どの顧客が無視してかまわない負け犬座かがわかります。代入の仕方しだいでいろいろなケースに活用できる思考法なのです。
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自分のビジネスにPPM法を活用して、どの商品を切り捨て、どの商品を伸ばすのか見極めましょう。